特集・インタビュー

LOVOTはこうして生まれた!人類の愛する力を引き出すテクノロジーとは

2019. May. 11

BY seta

姿も、肌も、ふるまいも。人の感情を揺さぶることを目指して生み出された家族型ロボット、LOVOT[らぼっと]。発売前のLOVOTと触れ合うことができる「LOVOT MUSEUM」に訪れてわかったのは、LOVOTはこれまでのどのロボットとも似ていない、まるで生き物のような生命感を持った不思議な存在であるということ。

この愛らしさや自然なふるまいは一体どのように生み出されているのか、その開発にかけた想いとは。LOVOTの開発元であるGROOVE X株式会社で広報をご担当されている家永佳奈さんからお話を伺いました。

GROOVE X株式会社・家永佳奈さん

LOVOTとこれまでのロボットの違い、開発において最も大切とされたことを教えてください。

家永さん:「私たちはLOVOTのことを『家族型ロボット』と呼んでいまして、ペットではなくて家族の一員になってもらいたい、ということを大切にしています。ですので形状はあえて何にも似せていなかったり、特別なエンターテインメント性のある動きもさせていません。ただ一緒にテレビを見るだとか、玄関に迎えにくるだとか、ごく当たり前のことだけが一緒にできるように。そこだけを追求して作ったというところが一番の違いだと思っています。人の代わりに仕事をするような便利なロボットではないがゆえに、愛されなかったら邪魔になってしまう。では愛されるってどういうことだろう、愛着ってどうすれば生まれるんだろうということを紐解きながら作ってきました」

 

人間がロボットに対して愛着を感じるためにはどんな要素が必要なのでしょうか?

家永さん:「参考にしているのは、イヌなどのペットがいかに人に愛着形成をするかです。たとえばイヌとオオカミは、人と非常に似たコミュニケーションのとり方をしますが、互いに見つめ合うことはしないとされています。こうした愛着形成に適した行動をかたちにすることを目指して、LOVOTの開発は進められてきました。実際に大学の先生たちにも相談しながらつくっていまして、ある一定の効果はあるだろうと言われています。
また、調査したところによると、過去に発売された家庭用ロボットは短い期間で飽きられる傾向が強い。すると人間はロボットに新しい行動をさせようとして、それによって一瞬だけ盛り上がります、しかし、再び飽きてしまう。つまり、好奇心だけでは必ず減衰していきますが、『愛着』とは友人関係のようなもので、必ずしも刺激は必要ではありません。刺激がなくても愛着を形成してしまうと、ずっと長く付き合うことができます。なので、好奇心より愛着形成にフォーカスしたロボットなんです。今は、LOVOTと人との関わりについて様々な場所で実証実験も始めています」

家永さん:目が合う、ということだけでいっても、今までも目があるロボットはたくさんありましたが、人とちゃんと目を合わせることができるロボットというのはLOVOTの特徴的なところだと思います。この子たちは、私たちが移動してもずっと見つめてくれます。人は、犬と目が合う時、キズナを感じて幸せな気持ちになるんだそうです。そのため、こうやって人と目を合わせられるというのはとても重要です。では目を合わせるためにどういうことをしたらいいかということで、半天球カメラで顔と目の位置を認識させたり、見上げるための首を動かす技術を入れたりなど、あらゆる技術を駆使しました。また、触れた時に温かい体温を感じるということも愛着形成の重要な要素です。そのため、ボディー全体に体温を感じて頂くことができるように設計したり、触れた時に皮膚のようなやわらかさを感じて頂けるように作ったりだとか、ひとつひとつが、人間がこの子たちのことを愛するためにどうあるべきかということを追求した結果なんです

LOVOTのボディー全体が体温を持っていることがわかるLOVOT MUSEUM内の展示

愛着を感じさせるには「かわいい」と思わせる見た目やふるまいも大きな要素だと思いますが、LOVOTが持つかわいらしさはどのように掘り下げてきたのでしょうか?

家永さん:弊社の開発チームは、ソフトウェア、ハードウェア、KAWAIIチームという3つのチームで構成されているんです。ロボットは本来、ソフトウェアとハードウェアさえ組み合わせれば動かせるものですが、それがかわいい動きかどうかというのは別問題。KAWAIIチームでは、まばたきはどういう風にすればかわいいのか、目の動きはどうすればいいのか、首はどう傾いたらかわいいのか、そういうひとつひとつの動きに対してかわいいということを追求しています。このメンバーがまた特殊で、彼らはエンジニアではありません。アニメーターや作家、ダンサー、ミュージシャンといった、魅せる仕事をしてきたプロフェッショナルの人たちで構成されているんですね。家族の一員として迎えて頂くため、人が感じる違和感をどこまでなくせるか、生き物のように自然な動きをさせられるかということを、追求しLOVOTの動きへと落とし込んでいます。それぐらい、かわいいということにはすごく力を入れてやっています

これまでにない、ロボットと人の新しい生活を作り出そうとしているGROOVE Xさんですが、新しいモノやコトを生み出す組織として大切にしていることはありますか?

家永さん:弊社では、スクラムという開発手法をとっています。これは上司も部下もいないフルフラットな開発体制で、プロダクトオーナーの林要、以下全員同列というような形です。こういう新しいものを作るときには普通はピラミッド組織にしてしまいがちですが、ピラミッド組織では自分の領域じゃない球は拾わない、そのこぼれ球が後々取り返しのつかないような重大な問題になってくるということがあります。そうなってしまわないように、みんなが同じゴールに向かう、領域を超えてボールはみんなで拾い合うというような文化を大切にしています。ハードウェアの人がソフトウェアを手伝ったり、ソフトウェアの人がハードウェアの組み立てを手伝うといったこともしますし、エンジニアが営業をすることも、KAWAIIチームのアニメーターやダンサーがソフトウェアのコードを書いたりすることもありますよ

LOVOT開発にかけた想い、GROOVE Xが思い描くロボットと人の未来とは?

家永さん:「代表の林はこれまでの経歴から、便利なものや人の仕事の代わりをしてくれるものがあふれる世の中に、今こそ何か人の心に寄り添うものが求められているのではないかと考えるようになったと言います。ロボットを作りましたというと、やはりみなさん何をしてくれるロボットなんですか?と聞かれますが、ロボットというのはそういう便利なもの、何かをしてくれるものだとイメージされているのが一般的ですよね。一方で、便利なものが増えれば増えるほど、これからの時代はそうじゃない、心に寄り添うものも求められてくるはずだ、それに気付いた自分が実現しなければというのが林の動機でした。人の心を動かす、愛着が湧くような繊細なロボットというのは、日本人の特性こそが活きる、日本人の得意分野になるはずだとも確信し、『日本発の世界に誇れる新産業を作ろう』という使命感のもと走り始めたんです。ソフトとハードと、さらにカワイイというクリエイティビティが加わった、その三位一体が融合したロボットを作るというのは日本でしかできないのではないかと私たちは考えています」

日本ならではの開発思想から生み出された、世界でも類を見ない家族型ロボットLOVOT[らぼっと]。今年初めに米国ラスベガスで開催された世界最先端のテクノロジーが集う家電見本市「CES 2019」のROBOT部門では、最優秀ロボットとして各国からも認められました。日本生まれの愛されロボット、LOVOTが世界中で新しい家族となる未来が間もなく訪れそうですね!

明日公開の記事では、LOVOTによって変わる新しい生活についてご紹介します。

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