2017. Jul. 25
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熱中症、危険なのはわかっているけれど、どんなとき、どんな風に気をつけるべきなのかがいまいちわからない……。
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一般財団法人 日本気象協会の「熱中症ゼロへ」をチェックしてみては? |
熱中症は、高温多湿な環境に、私たちの身体が適応できないことで生じるさまざまな症状の総称で、熱中症の危険性はさまざまあり、こちらの7つの症状が主なものです。
これらの症状が悪化すると、最悪死に至ることがあるそうです。
この中でも代表的な初期症状は、めまい(目眩、眩暈)や立ちくらみ、一時的な失神。
熱失神とも呼ばれ、炎天下や暑い室内での長時間労働やスポーツなどにより体内に熱がこもり、脳への血流が減ることと、脳そのものの温度が上昇することで引き起こされます。
熱中症が話題になるのは7月以降ですが、熱中症の患者さんが出る時期は長く、4月の後半から9月の末ぐらいまで注意する必要があるのだそうです。
また、特に気をつけたい時期は次の4つ。
5月の暑い日については、急激な気温の上昇に体が適応できない、というのが理由だそうです。
暑さに徐々に体が慣れる「暑熱順化」ができていないため、28度前後の気温でも熱中症にかかることがあるのだとか。
梅雨の晴れ間・梅雨明けの時期には、高い湿度のせいで汗が蒸発しづらくなり、体温調節ができず熱中症を引き起こしてしまいます。
水分補給と合わせて、こまめに汗を拭いたり、着替えを行うことで、体温調整を促すことが大切なようです。
熱中症に気をつけたいのが、高齢者や子供たち。
とりわけ高齢者の方は、暑さを感じにくい傾向があるため、本人の感覚に頼るのでなく、室温計など客観的な情報に基づいてエアコンを利用するなど、周囲が特に注意を払う必要があるそう。
子供に関しては、背丈が低く、地面から比較的近いところで活動することが多いため、大人に比べて体感温度が高く、体温が上がりやすいのが特徴。
やはり周囲の大人による積極的なケアが必要なのだそうです。
大人でも、シーンによって注意が必要だそう。
特に夏場は野外でビールを飲む人が多いですが、アルコールは利尿作用があり水分補給に適さないので、スポーツ観戦なども注意が必要です。
でも、知らず知らずにかかってしまうのが熱中症……。
熱中症について調べたり、セルフチェックサービスなどが利用できる「熱中症ゼロへ」プロジェクトの公式WEBサイトを見てみました。
熱中症にかかる方を減らし、亡くなってしまう方をゼロにすることを目指して一般財団法人 日本気象協会が推進するプロジェクト。
蓄積した気象データや専門家の助言をもとにした熱中症に関する正確な情報を、いつでも、無料で見ることができます。
特に、「熱中症セルフチェック」では、熱中症を引き起こす膨大な要因の組み合わせを、専門家とともに7,000通りにまで選定。
年代や活動レベルなどの情報に加え、GPSで自動入力できる気温と湿度を選択するだけで、水分量や活動時間など、定量データによる厳密な危険度合いを表示してくれます。
危険度が「A(低め)」だとしても、失われた水分量が一目でわかるようになっていて、予防対策がとりやすいというのが最大のメリットなのだそうです。
「熱中症ゼロへ」のトップページから「熱中症セルフチェック」へアクセスするとあらわれるのが上の画面。
現在地の“いま”の熱中症危険度を測るには、上から順に、年代・活動レベル・現在地と、3つの項目をチェックするだけでOK。すぐにチェック結果が表示されます。
まずは「小学生」「ちょっと汗ばむ作業」「屋外にいる」を選択したところ、熱中症危険度レベルは「C」!7月の中旬の日中だけあって「危険」な模様です。
1時間あたり500ml、ペットボトルにして1本程度の水分が失われていることがわかりやすく表示されます。
しかも「スポーツドリンクや0.1〜0.2%の濃度の食塩水がオススメ」と対策方法まで教えてくれる丁寧ぶり。
活動時間についても注意を喚起してくれるというのも新しいですね。
次に、同条件で「中高生・成人」を選択すると、熱中症危険度レベルは「D」に!
汗ばむ作業は、子供よりも大人にとって危険度が高いというのはちょっと意外な結果でした。汗の量と関係しているのでしょうか。
続いて、活動レベルを「激しいスポーツ」として「小学生」と「中高生・成人」を比較してみたところ、予想通り、いずれも熱中症危険度レベルは「D」。
15分以上の活動に対して注意が呼びかけられますが、「小学生」と「中高生・成人」では、失われる水分量に大きな違いが!
1時間あたりの水分消費量は、「小学生」が500mlのペットボトル2本分なのに対して、「中高生・成人」では、3本分。大人は体が大きい分、より多くの水分補給が必要になるということですね。
たった3ステップで熱中症の危険度を測ることができる手軽なサービスですが、熱中症予防につながる印象を受けました。
「熱中症ゼロへ」の「気象コンテンツ」内にある「あなたの街の患者数予測」は、過去の気象データと患者数に関する実績値から、独自のアルゴリズムを開発し、患者数を予測するサービス。気温だけではわからない、さまざまな要素をもとに精度の高い予測が導き出されるのが特徴です。
「熱中症という言葉自体の認知率は90%を超えているものの、熱中症に関する正しい知識はあまり普及していません。熱中症患者数も増加するばかりです。
呼びかけるだけで熱中症を防ぐことはできないし、地域のボランティア活動にも限界があります」
縦横に長く広がる日本の気象環境に応じて、アカデミックなリソースをわかりやすい情報に変換し発信できるのは、日本気象協会だからこそ。
行政・専門家・企業・マスメディア・自治体の連携を促すハブとして機能することで、生活者が自発的に予防に取り組めるような体制づくりを目指しているそうです。
熱中症を予防するには、熱中症そのものをどれだけ自分ごととして捉えることができるかが鍵。
手軽に危険度がわかって、対策方法もきちんと教えてくれる「熱中症セルフチェック」は、そんな私たち一人一人が熱中症への意識を高めるのに、またとないサービスと言えそうです。
自分だけでなく、周囲の高齢者やお子様たちを守るのも、大人の役目。
熱中症なんて自分には関係ないなんて言わずに、ぜひチェックしてみて下さい。