2019. Aug. 16
参考図書を読みながら作業することが多い私には、ブックストッパー(スタンド)が欠かせません。いろいろ手を出してはみるものの、実用性は申し分なくてもデザインが物足りないなど、なかなか本命に出会えない……。そう思っていたところで見つけたのが、「BOOK on BOOK」。本の形をしたアクリル製のプレートで、見開きの本にのせるだけでそのままの状態をキープできるというシンプルさが気に入って、さっそく使ってみました。
「BOOK on BOOK」はアクリル製の透明な本。使い方はとてもシンプルで、その名の通り、本のうえにのせておくことで開いたままの状態を維持することができます。
ブックストッパーは、斜めに立てることができて確かに便利なのだけれど、本を固定するのに重りを用意しなくてはならなかったり、ページをめくる際にいちいちストッパーを留め直す必要があったりと、これがなかなか面倒。
「BOOK on BOOK」なら、固定したいページにのせるだけと手間いらず。自重でしっかり押さえられるから、風や振動があるシチュエーションでも安心して使えて、本の反発でひっくり返ることもありません。
ブックストッパーを使っていると、ストッパーの圧力でページの端を傷めてしまうことがありましたが、そんな心配がいらないのもうれしいポイントです。
ありそうでなかった最上級にシンプルな発想の面白さもさることながら、「BOOK on BOOK」のもう一つの魅力は、なんといってもそのスタイリッシュなデザインにあります。
手がけたのは、治田将之さんと青木亮作さんの2人からなるクリエイティブユニット「TENT(テント)」。発案から完成まで7年もの歳月をかけ、本の形状を徹底的に検証し、細部まで妥協せずこだわりぬいたというだけあって、造形がとにかく美しい!
オブジェとして飾っておくことができるクオリティで、本を読みながらパソコン作業やノートの書き込みをするときだけでなく、お気に入りの写真集などを飾るのにもよさそうです。
大きさは幅21cm×縦18.5cm×高さ2cm。文庫や新書はもちろん、ハードカバーの本や大判のアートブックにも使うことができます。
「BOOK on BOOK」のパッケージは、この通りとてもおしゃれ。
箱を開けると、取扱説明書を見開きで読ませるような演出が。余計なものを使わない、しゃれた趣向に好感がもてます。「BOOK on BOOK」の重さは220グラムと、小ぶりのリンゴ程度。見た目の印象よりずっと軽量です。
肉厚のアクリル板が、静岡の工場で熟練の職人によって一つ一つ手作業で加工・研磨され、このような絶妙なカーブに。本にのせるとしっくりなじむようにできています。表面だけでなく、側面の仕上がりもとてもなめらかです。
手で触れると、手仕事の温もりが感じられて、使い心地がとてもよいのに驚かされます。
ブックストッパーというと、実用性だけを重んじる製品が多いなか、フォルムの美しさや使い心地にもこだわった「BOOK on BOOK」。お値段は5,600円(税抜)とちょっとお高めですが、使いやすさといい質感のよさといい、納得の仕上がり具合。実際に触ってみると、きっとそばにおいて長く使いたいと思うはずです。
透明度の高い輝きをいつまでも美しく保つためには、摩擦や衝撃を与えないよう気をつけたり、表面についた指紋をこまめに掃除したりと、ちょっと気をつかいそうですが、「本好き」には、そんな時間さえも宝物になりそう。本自体はもちろん、本を読む時間や本がある空間も大切にしたいと考えるすべての方におすすめのアイテムです。