2019. Jul. 2
顧客の声に耳を傾け、洗える天然素材「Aqua Melange(アクアメランジェ)」を生み出した老舗帽子メーカー、水野ミリナー株式会社。前編では、同社の河崎雄也さん、三木英里香さんにお会いして、アクアメランジェ誕生に至るきっかけや開発における苦労、これまでにない新素材の特徴などを教えていただきました。続く今回は、水野ミリナーが帽子メーカーとして目指すこれから、そして帽子作りのプロから教わる帽子選びのポイントもご紹介します。
前編:【インタビュー】夏の新定番。洗える天然素材「アクアメランジェ」が生まれたワケ
河崎さん :「こういった和紙や草もののブレード(織紐)を縫える職人さんというのは、弊社では江戸川区にいらっしゃる80代の職人さんお一人なんです。みんなご高齢ですでに引退されてしまって跡を継ぐ人もなく、日本国内ですべて作るといったことは非常に少なくなっているというのが現状です。そのため、今は私がタイなどの信頼できる工場に行って、現地の方に縫製を教えながら縫ってもらっています。弊社としては自社の工場が大阪の方にあるのですが、今後若手の方にも技術を教え伝えて、大阪の方でもこういう帽子をどんどん縫えるようにしていこうというように考えているところです」
河崎さん :「麦わら帽子を縫うためのミシンというのも今はもう作られていなくて、昔のものを探してきてメンテナンスしながらどうにか使っているんです。お客様とお話ししていると、すべて機械で簡単に作っているように思われていることが多いのですが、実はこういった昔ながらの製法で、すべて手作りですし、技術的にもやはり難しいので伝えていくということが大切だと思っています」
河崎さん :「帽子の業界でも色々な会社がありますが、サイズを多く展開している会社って少ないんです。でも実際には頭が大きい人、小さい人がいらっしゃる中で、気に入ったものをかぶってみたら全然サイズが合わないからと諦めている方がいます。私たちとしては、もっと多くの人に帽子を使ってもらうために、お客様が何に困っているかということを考えて、さらに寄り添った帽子作りをしていこうとしています」
河崎さん :「あとは、『おうち帽子』という名前で作っているものがありまして、抗がん剤治療などをされている方に使用していただく、おうちでも外でも使えるようなデザイン性のある帽子のラインナップをもっと増やしていくことですね。いわゆる院内帽といわれる病院でかぶるような帽子というのは地味なものばかりなので、外でもおしゃれに使えるようなものを新しい提案としてもっと出していこうとしています。アクアメランジェを作った動機もそうですが、やはり使っていただくお客様おひとりおひとりの声、求められていることに対して応えながらどんどん新しいものを作っていきたいなという思いがあります。今後もお客様に喜んで頂ける材料作りと、日々変わるトレンドにも目を向けながらデザイン性溢れる帽子作りを心掛けていきたいです」
最後に、帽子一筋95年の水野ミリナーさんから、顔の形別の帽子選びのポイントを教えてもらいました。
・丸顔さんはこちら
・逆三角形顔さんはこちら
・三角顔さんはこちら
・四角顔さんはこちら
・大きい顔さんはこちら
・面長さんはこちら
丸顔さんは丸顔を隠そうとして深くかぶりすぎるとかえって逆効果になることも。ブルトンやセーラーなど、前ブリムが上がっている型を選ぶのがおすすめだそうですよ。
顔型が逆三角形の人は、たいていの帽子がよく似合います。どんな型もかぶりこなせますが、クラウン(頭にかぶる部分)が大きすぎると帽子ばかりが目立ってしまうこともあるので控えめがいいですね。
クラウンの幅が顔の幅より少し広いものを選ぶのがおすすめ。クラウンの深さがあるものや、大きなリボンなどのトリミングが付いているものも○です。
四角い顔の人は、プリムがやや角ばった型を選ぶことでナチュラルな印象に見せられます。プリムが左右アシンメトリーになった型や、ポイントとなるトリミング(飾り)が付いている帽子もおすすめ。
大きい顔の人は、キャペリンなど、プリムに動きがある帽子がおすすめ。クラウンの幅が顔よりも広いものを選ぶことで。顔まわりをシャープに見せられる効果も。
面長の人はどのタイプの帽子もOKですが、特にクラウンの高さが低いものがおすすめ。トップが平らなデザインや大きめのベレーなど横に幅があるものが良く似合います。
ちょっと意外ですが、ポイントは「顔型と近いクラウンの帽子を選ぶこと」だそう。コンプレックスを隠そうとして顔型と正反対なものを選ぶよりも、自分の顔型に合わせて選ぶことでバランスが取りやすくなるようです。自分に似合うものがわからないときや、ギフトに選ぶときにぜひ参考にしてみてくださいね。