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【インタビュー】夏の新定番。洗える天然素材「アクアメランジェ」が生まれたワケ

2019. Jul. 1

BY seta

夏の強い日差しから守ってくれて、見た目も爽やかな麦わら帽子。でも、かさばるし洗えない、汚れが気になるなど、天然素材であるがゆえの使いにくさもありました。

「お客様の声に応えたい」。大正13年創業の老舗帽子メーカーが挑んだのは、日本古来の天然素材である和紙を原料にした糸に、「水で洗える」という機能を付加した全く新しい素材の開発でした。天然素材ならではの風合いや肌触り、涼しさなどのメリットはそのままに、洗えて、折りたためて、UV機能も備えた画期的な新素材「Aqua Melange(アクアメランジェ)」。その誕生の裏側や、作り手の想いを聞きました。

お話いただいたのは、東京・墨田区に本社を構える水野ミリナー株式会社で商品企画部チーフディレクターを務める河崎雄也さん(写真左)、販売促進・広報ご担当の三木英里香さん(写真右)です。

 

まずはアクアメランジェについて伺う前に、帽子メーカーである水野ミリナーさんについて教えてください。

河崎さん 「水野ミリナーは大正13(1924)年創業で、かれこれ95年帽子を作り続けている会社です。自社ブランドとしては現在8ブランドほどがありまして、主に百貨店さんで販売させていただいているほか、有名ブランドのOEMなども手がけています」

なんと、100年近い歴史があるんですね!では、アクアメラジェはいつ頃生まれたブランドなのでしょうか?

河崎さん 「構想や試作としては8年ほど前から取り組んでいまして、商品化できたのは5年ほど前からですね。アクアメランジェというのはもともと当社が実用新案を取得した『素材』の名称なんです。フランス語の『Aqua(水)』と『Melange(混ざる)』という言葉を組み合わせた、水と混ざることができる素材という意味があり、同時にメランジ調の糸のことも指しています。当初はOEMで製造させていただいているブランドの帽子や自社ブランドの『素材』としてアクアメランジェを使用していたのですが、今年から新たに自社の帽子の新ブランド名としても販売していくことになったというところです。このブランドでMakuakeでのクラウドファンディングにも挑戦しました」


これまでにない、洗える天然素材を作ろうと思ったきっかけとはどんなことだったのでしょうか?

河崎さん 「百貨店さんで商品を販売していて、直接お客様とお話してきた中での会話がきっかけですね。和紙の素材というのはこれまでもずっと人気の夏素材でしたが、洗えないというのはやはり困るよねというお声が本当に多かったんです。そこで材料メーカーさんと話し合って、なんとかして洗えるものは作れないだろうかというところからスタートした、お客様の声に応えるための素材がアクアメランジェです。でも、試作してみたはいいものの、糸として和紙をねじっていくときに固くなりすぎてしまったり、重さが増してしまったり…なかなか売り物として使える形にはならなくて、その微調整でだいぶ苦労しましたね」


アクアメラジェが他の素材と異なる点を教えてください。

河崎さん 「和紙というのは帽子の素材として世界的に認められており、今は最も定番素材となっているものです。その中で弊社が実用新案を取得しているアクアメランジェは耐水強化剤というものを入れていて、水にとても強い新素材です。また、UV加工が施されていることや、染色にも違いがあります。一般的な洗えない和紙のものだと中国産のものが多く、質的に色落ちも激しいのですが、アクアメランジェの場合は糸の段階から国内で丁寧に染色をしているので発色や色の持ちが良く、長く使っていただけると思います」

この鮮やかな発色は日本国内の工場で特別に染色されたアクアメランジェだからこそ出せる色。摩擦や水による色落ちにも強いんです。

河崎さん 「和紙というのは麦わらやラフィアといった草の素材と違って、ささくれが出ないのでかぶってもチクチクしないですし、加工や染色もしやすい素材です。アクアメランジェの染色に関しては、触り比べてみていただくとよくわかりますが、よくある顔料で上から色をプリントするような普通のブレード(織紐)と違って糸の状態から染めているのでとても柔らかい使い心地になっています。また、一般の和紙のものは単色のものが多いのですが、アクアメランジェの場合はスペック染めといったムラ染めをしていて、杢調に染まっているというのも特徴ですね」

スペック染めで染められたアクアメランジェの糸は、自然で味わい深い色合い。この糸を数本とってかぎ針で編み込んだり、リボン状に加工してミシンで縫い合わせて使用するそう。
ちなみに手編みの帽子の場合、1日にひとつ作れるか作れないかというほどに手間がかかるそう(!)ですが、ざっくりとした編み目が風を通してとても涼しそうですね。

夏の帽子に欲しかった機能をすべて備えた新素材の帽子「Aqua Melange(アクアメランジェ)」。素材として画期的なだけでなく、手にとって見れば、日本ブランドならではの丁寧で細やかなものづくりへのこだわりが感じられます。

編み目や縫製がしっかりしていて品質が高いことはもちろんですが、内側のスベリにクール感が感じられる接触冷感素材が使われていたり、サイズ調整が可能な面テープがついていたりと、外からは見えない使い勝手にもきちんと配慮されているんですよ。せっかく洗って保管して何シーズンも楽しめるものですから、使い勝手も納得できるものを選びたいですよね!

続く後編では、老舗帽子メーカーである水野ミリナー株式会社が目指すこれからについても語っていただきます。

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